盲目の女と露出狂

 

恥じらいなく横に広げた口

黄ばんだ八重歯

乾いてひび割れた唇

その醜い笑顔に何度、救われたら

気が済むのだろう

 

太陽はとがっているのでしょう

 

舌先をまるめ目ヤニをかき出した

されるがままになっている、女のこれまでを思う

小さな白い手に性器を握らせた

あなたはやさしい、と女は言った

全く反応を示さない私の性器を正しく弄りながら

 

太陽はとがっているのでしょう

 

手の甲の薄い皮をつねり痛いかと訊いた

あなたがそう言うのならこれを痛いと呼ぶわ、と女は言った

おまえに太陽を教えた人間が

どうか苦しんで死にますように

 

いってらっしゃい、と女は言った

その贅肉だらけの腹にひざまずき顔をうずめてむせび泣きたい衝動が

愛おしくて、疎ましい

すれ違った誰かが短く叫んで逃げ出した

しかたがないんだ、と心の中で詫びた

風がからだを撫でるこの瞬間だけ、

命に執着できた

 

あと何時間で陽が昇る

 

荒れた唇を貪った

顎から流れた唾液をまた舐め回し飲み干した

掴んではそのままもぎ取りたくなるような柔らかい乳房に

ハイエナのようにむしゃぶりつき

小さな花のような痕で

白い肌を染めていく

太ももの噛み跡と私の歯形が一致する事を何度も確かめては

妄想の中で幾度となくおこなったよう、

あたたかく湿った股にひざまずき

顔をうずめた

それでも尖らない私の性器は

おまえの太陽にはならない

 

あなたはやさしい、と女は言った

 

その醜い笑顔に何度、救われたら

気が済むのだろう

 

添ゆたか(そえゆたか)1989年生まれ。好きな洗剤はアリエール

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