魂の新しい旅立ちを祝うアンソロジー

谷川俊太郎編
フジ子・ヘミング装画

装丁/鈴木成一デザイン室
函入り・上製 2700円(本体価格)
ISBN4-434-03298-4 C0092

 

からだから解放された魂というものがあるのではないか、誰もが心の奥底でそれを知っているのではないか。もしそうだとしたら、魂の新しい旅立ちを祝うこともできるのではないか、それが残された者の嘆きを少しでも軽くすることができるのではないか。そう思ってこのアンソロジーを編みました。

このささやかな詩集が、生者への慰め、死者へのはなむけとなることを念じています。

(谷川俊太郎「あとがき」より)

今日は死ぬのにもってこいの日だ。生きているものすべてが、わたしと呼吸を合わせている。(略)

「今日は死ぬのにもってこいの日だ」より
(プエブロ族の古老・金関寿夫訳)

 

 21世紀を迎えて、大きな時代の変動に立ち会っている私たちにとり、言葉の、詩の力があらためて問われるときであると考えます。この『祝魂歌』が今を生きる私たちの心の底に語りかける意味は大きいと思われます。収録詩篇につきましても、古今東西の優れた詩篇を谷川俊太郎氏に選んでいただきました。魂のピアニスト、フジ子・ヘミング氏のご厚意により、装画を使わせていただくことになりました。そして、装丁は鈴木成一氏にお願いいたしました。読者の方にお手にとっていただき、さらにお手元においていただける内容となったと自負いたします。

 

祝魂歌  目次

今日は死ぬのにもってこいの日だ プエブロ古老
ギーターンジャリ 一四二  タゴール
電車の窓の外は      高見順
柱時計      淵上毛銭
遺書       林芙美子
しぬまえにおじいさんのいったこと  谷川俊太郎
挽歌詩 陶淵明
ルバイヤート二、五 オマル・ハイヤーム
別れる練習をしながら 趙炳花
高井戸 大岡信
兵士の世代 石垣りん
展墓  阿川弘之
あけがたにくる人よ 永瀬清子
初めての児に   吉野弘
また来ん春……  中原中也
あられふりける  一 二 三好達治
その後のふり返り 室生犀星
最後の詩篇 ロベール・デスノス
花冷え 中村稔
ソネット第八一番  シェークスピア
モハメッド・シェアブの思い出に ウンガレッティ
たましい 川崎洋
オ母サン  草野心平
カ   まど・みちお
勧酒   于武陵
あーあ  天野忠
ユウレイノウタ 入沢康夫
Mに リンゲルナッツ
死よ、驕るなかれ ジョン・ダン
死者の唄 葬式の時うたう唄 チョンタル族古謡

あとがき   谷川俊太郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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