レイルーナ
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著者 井上摩耶(いのうえ まや)
発行 2010年5月9日
定価  
本体2000円+税
ISBN

ISBN978-4-434-14315-1 C0092

判型 A5変型(140×210ミリ)148頁 並製

[収録詩篇]
心のレース 私が一番愛する人 短詩1 点 無題 誕生日 短詩2 祈り 母の目 ラジオ 横顔美人 短詩3 水の遊戯 冬の雨 ちぎれ雲
広がる海 短詩4 五月はじめ 消えてゆく者たち 夏の終わり 短詩5
絵 寝る前には 短詩6 ローラ 友人に友情と愛情 キャレス 大きな体 つないだ手 平安 バイブレーション 短詩7 レイルーナ 

終わりに

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【帯】思い出がまた私を明日へと繋ぐ

あなたの暖かさだけが/私の隠れ家だった
『Look at me』から7年。レイルーナ。それは愛の詩集。

【HP新刊紹介】より

『Look at me —たとえばな詩—』から7年。井上摩耶さんの第二詩集『レイルーナ —はかない愛のたとえばな詩—』が出版されました。この詩集は、「出会いと別れを繰り返して、思い出がまた私を明日へとつなぐ日々の中で」感じ、考えたことをことばにしたもので、いまを生きる者の心の劇が物語のように綴られる、愛の詩集です。「時間という線は/私を助けない」という詩句を記した著者がやがて次のような短詩にたどりつくとき、「思い出がまた私を明日へとつなぐ」ことを読む者は知らされます。

傷だらけの心は
もう傷つく場所さえないくらい
でも、それは
キラキラした
手彫りのまぁるい
ペンダントのよう……

 



レイルーナ

 

私は繰り返す

光りの中を

闇の中を

繰り返し行ったり来たりする

 

何のためかはわからない

誰のためかもわからない

 

あの時

あなたが私を見つけてくれなかったら

私は死んでいただろう

路頭に迷って

野垂れ死に

私には、お似合い?

 

繰り返す中で

少しずつ老廃して

私は目が見えなくなった

何かにぶち当たれば

反対方向へ

何かを感じれば

また固まって

 

あなたの暖かさだけが

私の隠れ家だった

 

足の指は擦り切れて

生暖かい

多分

血液が私を悩ます

見えない目は

私に安らぎを……

 

あなたが見つけてくれたから

今、私はここにいる

 

忘却の川なんて

そんなものはない

私は繰り返すのをやめて

私の指がまたはえたら

あなたと歩きたい