誌の雑誌 midnightpress 4号 |
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1999年夏 4号(1999年6月5日発行)
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『詩の雑誌midnight press』第4号をお届けします。――と書いて、いささかの感慨を覚えないわけではない。季刊をうたう小誌としては、季節をひとめぐりしたことになる。もっとも、その時々の季節を楽しむ余裕もなく、無我夢中とは、こういうことだったのか…と振り返るばかりである。■ひとめぐりして、あらためて、季刊という速度を実感した。一方で、季刊という歩みは、連続と非連続を同時に生きることなのだと知った。この認識は、これからの小誌の編集に確実に反映されていくだろう。■現代詩は、これまで「主体」と「言語」との二極の間を揺れ動いてきたが、いつのまにか、その揺れがリアルなものとして読まれなくなってしまった。あらゆる場面において、「境界」が消滅しつつある現在、「主体」(個人)も「言語」(日本語)も相対化されてしまったことを考えれば、詩の言葉が力をなくしてきたことも理由のないことではないだろう。■だが、小誌の編集を重ねるにつれて、未来の詩に対して新しい考え方が自分のなかで生まれてきているように思わないこともない。たとえば、「主体」と「言語」という二極に代わるものとして、あるいはそれを止揚するものとして「関係」(inter-)という言葉を考えてみよう。すると、詩の風景が、これまでと少し違ってみえてこないだろうか。そして、「歴史」という言葉が新しく立ち上がってこないだろうか。急ぐことはないが、課題のひとつである。■それにしても、今号の編集はタイトだった。事務所の引越しが重なったためだが(新しい住所は左記のとおりです)、これもまたスターティング・オーヴァーのきっかけとしたい。長谷邦夫氏の連載が始まった。次号からの大型連続対談スタート、またホームページのリニューアル、CD‐ROM詩集の創刊…など、さらなる充実を期したい。 (岡田) |
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