詩の雑誌 midnightpress15号 |
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主な内容 2002年春15号(2002年3月5日発売)内容 |
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15号をお届けします。今号は、期せずして、誌面に「2001年9月11日」の文字が並んだが、もとより、これは意図したものではない。小誌として企画したものは、「アンケート 2001年9月11日」であるが、このワク組を超えて、「2001年9月11日」という日付は通奏低音のごとく誌面を流れているようだ。井上輝夫氏が「ニューヨークに住んでいて、去る9月11日の世界貿易センターとペンタゴンを狙った自爆テロ事件に触れないでいることは触れるより難しい」と書かれていることは、ニューヨークに住んでいない者にとっても了解されるところであり、それがおのずと誌面にあらわれでたということでもあろう。だが、いずれにしても困難な主題である。アンケートの回答率が50%に満たなかったことも、そのひとつのあらわれかと考える。■詩と「外部」の問題--例えば『辻詩集』に象徴される戦争詩の問題なども、それに含まれるだろう--は、いまもなお日本の詩史をつらぬくトラウマ(?)として持続しているように思われる。詩=言葉と「外部」をめぐる主題はさらに苛烈をきわめていくことだろう。もとより、短絡は注意深く避けなければならないが、「詩の雑誌midnightpress」として避けては通れない途であることを思う。一時の気分・感情に踊らされることなく、「外部」と拮抗しつつ、ついに己を生きることのなんたるかを知るときが、いつの日かくるだろうか。■飛行機がWTCビルに突入する映像は繰り返され、消費され尽くした。が、一般的にいって、ある映像を目にしたとき、我々は、その背後に秘められたある奥行なるものを夢想することもまたたしかなことである。今号掲載の、片野晃司、いとう両氏による往復メールが提示しているものも、その奥行ではないだろうか。(お)
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