詩の雑誌 midnightpress18号 |
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2002年冬18号(2002年12月5日発売) |
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「詩の雑誌midnightpress」18号をお届けします。今号もまた力のこもった原稿が寄せられた。そして、創刊号から四年にわたって連載されてきた福間健二氏の「詩は生きている」が、また、世紀の変わり目、そして9・11をニューヨークで迎えた井上輝夫氏の「那由多亭夜話」が、ひとつの区切りを迎えることとなった。■いま、久しぶりに創刊号を手にとってみると、98年9月5日発行とある。その日付が、とてつもなく昔のようにも思われるし、まだついこのあいだのことのようにも思える。だが、この四年間で、福間氏もいうように、「日々の生活の場所としての世界も、多くの点で様変わりしてきた」。「あらゆる場面で根本的な組み替えを迫る力が、そこにある」。■今号のゲラを読んでいて、この四年間における世界の様変わりに即するかのように、ひとつの主題をめぐって新しい動きが現われつつあるのではないかとの予兆のようなものを覚えた。平たくいうと、それは、「詩とは何か」というよりも、「日本の現代詩とは何か」という、より具体的にして根柢的、かつ実践的にして歴史的な問いとはじめて向かい合うことではないだろうか。■福間さんの・詩は生きている・は、いかにポジティヴに「詩を書く/詩を生きる」かを考えるものだったと思うが、そこで展開された主題は、小誌においてこれからも持続されるだろう。その一環として、これから少しずつリニューアルを試みていこうと考えている。確たるヴィジョンがあるわけではないが、現場を深く掘っていく作業を怠らないようにしたい。■今号から小誌の常備書店のリストを掲載することにした。確実に読者の手元に届くよう、読者や書店とのチャンネルを広げていきたい。なお、井坂洋子氏の「詩の通い路」は、筆者の都合で休載させていただいた。2003年は、好評連載だった辻征夫氏の「詩の話」の刊行などを予定している。(お)
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