詩の雑誌 midnightpress20号 |
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2003年夏20号(2003年6月5日発売) ●田中エリス小詩集 もはや花の中で暮らせない インコのフーガ カフェブーム 日清日露の子ども勢力 原始インコ |
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「詩の雑誌midnightpress」もまる五年を数えることとなった。それはともかく、今後もまた、田中エリスの小詩集を冒頭に、鶴見俊輔氏を迎えた谷川・正津両氏の連載対談、そして、瀬尾・稲川両氏の対談など、充実した内容となった。■いまや、「新しい」とか「古い」とかいった基準でものを語ることがどれほど有効であるのか、きわめて疑わしいところだが、田中エリスの詩を読むとき、ここではなにか「新しい」事態が生成しているのではないかとの思いを捨て難い。田中エリス詩集『かわいいホロコースト』は今秋刊行の予定である。ご期待ください。■鶴見俊輔氏の博覧強記と思索の深度には驚かされるばかりだったが、貴重な講義を聴かせていただいたとの思いは強い。語られる内容もさることながら、立ち上がってくるアトモスフィアを味わっていただければ幸いである。そういえば、この企画の日程を鶴見さんとご相談したとき、「この雑誌(小誌のこと)はいつまで続きますか」との御下問があった。一瞬、絶句したことを微苦笑とともに思い出す。この対談のパート2が次号に掲載される。■そして、ふたりの詩人の「発見」が大きな主題となった瀬尾・稲川両氏の対談だが、回を重ねるにつれて、深まりを増していくことが読者にも伝わるのではないだろうか。また、今号から井上輝夫氏の新連載が開始されることになった。■ところで、このたび、谷川俊太郎氏の編による新しい詩のアンソロジー『祝魂歌』が刊行されることになった。谷川さんは、このアンソロジーに寄せて、「からだから解放された魂というものがあるのではないか、誰でも心の奥底でそれを知っているのではないか、もしそうだとしたら、魂の新しい旅立ちを祝うこともできるのではないか」と書かれている。ぜひ多くの人々に読んでいただきたい。詳細は116ページの広告を。■また、松下育男の新詩集『きみがわらっている』、佐々木浩+舞出晋一の『対詩集 鏡に映る影』、中村剛彦の『壜の中の炎』が、それぞれ六月に、続いて、辻征夫氏の『詩の話をしよう』が刊行される。この五年間、小誌を御支援くださった方々にあらためて御礼申し上げます。これからもよろしくお願い申し上げます。(お)
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